【iOSDC Japan 2024 レポート】DAY2「iPhone × NFC で実現するスマートキーの開発方法」を聞いてきた。
はじめに
年に一度のiOSエンジニアの為のお祭りiOSDC Japan 2024に参加しています。
せっかくなので、参加したセッションのレポートを書きたいと思います。
iPhone × NFC で実現するスマートキーの開発方法
登壇者
- oka yujiさん
概要
いきなりですが「自宅の鍵が公共交通機関の改札のようにiPhoneで開閉できたらなー」と思ったことはありませんか?
NFC(近距離無線通信)はセキュアでレスポンスが早く、環境に影響されにくいので、デジタル認証を行う上で非常に適した通信技術です。
iOSにもNFCをサポートするCore NFCというフレームワークがありますが、現状ではNFCタグやNFCカードの読み書き機能しかサポートしていません。
そのため、物理カードのように振る舞うカードエミュレーションや、双方向通信を行うP2Pモードは実装できません。
また、カードエミュレーションとして機能するNFC付きのPassの生成も現状では限りなく不可能に近い状態です。これらの制限により、現状では個人でiOSとNFCを組み合わせてスマートキーを開発することは難しい状況です。
しかし、どうしてもNFCを利用して公共交通機関の改札レベルの体験を自宅でも味わいたい…と思い、NFC付きのPassを利用して開閉するスマートキーを作成しました。このトークでは、NFCの基本的な話から、Core NFCでできることを簡潔に解説した上で、NFC付きPassを利用して開閉するスマートキーの作り方をデモを交えて紹介します。
基本的な概念から応用まで40分で学べる内容となっていますので、ぜひこの機会に今後のiPhoneとNFCの可能性に備えませんか?
引用: fortee
資料
感想
登壇者のokaさんが2年前にYoutubeに載せたiOSのWalletに登録してあるSuicaのIDを取得するというデモに対して、
「this is fake apple uses dynamic uid (Appleは動的なUIDを使用しており、これは偽物です)」というコメントが付いており、そういう方に理解してもらおうと思い今回の発表をすることを決めたとのことです。
まずは、NFCの基礎知識を理解しました。
- Near Field Communicationの略
- 近距離無線通信
- 設定不要でかざすだけで機能
- 低消費電力で電源がなくても動作
- 信頼性が高い
- 熱に弱く
- 100度程度で壊れてしまう
- NFCタグのラミネートは絶対ダメ
- 100度程度で壊れてしまう
自分自身もPassKitを使って、Walletカードを作成した経験があるのですが、NFC対応のデジタルカードが作れたらどれだけ楽しいだろうかと思っていました。しかし、それを行うにはAppleにNFC Certificationをリクエストする必要があり、その審査はとても厳しいもので個人開発規模では取得が難しそうでした。後から聞いた話では、会社の規模やすでに似たようなプロダクトを持っている、ハードを作れる技術をすでに持っているかなど様々条件があるとのことでした。
ただ、そこで諦めるのではなく、既存のWalletに登録してあるカードを活用してスマートキーにチャレンジしており、そのエンジニアとしての姿勢をとても見習いたいと感じました。
実際に既存のPassを利用して、iPhoneでスマートキーを作成する手法を紹介していただき、実際にハードウェアを作れるスキルの重要性も感じました。
40分のトークでしたが、非常に面白く、あっというの時間でした。
「NFCにはロマンがある」
まさにそんなトークでした。
また、YouTubeに動画を公開して実際の案件にもつながったという話はとても興味深い。発信の大切さを感じました。
おわりに
まだ具体的なアイデアは思いつきませんが、NFC Forum Type 2 Tagを購入してどういった物に活用できるか研究してみても面白いかもしれません。